ドラマル

ドラマ『二月の勝者』原作漫画の結末ネタバレ!黒木は何人を第一志望合格させる?

柳楽優弥さん主演の連続ドラマ『二月の勝者』の原作漫画のあらすじを、ネタバレを含めて結末までわかりやすく紹介しています。

ドラマ版もほぼ同様の展開になると予想されますので、ネタバレしたくない方は、ドラマ版『二月の勝者』の放送後にご覧ください。

『二月の勝者』ドラマ版のネタバレはこちら

『二月の勝者(ドラマ版)』ネタバレ!1話から最終回までのあらすじ・キャスト・視聴率まとめ

ネタバレ注意

当記事には、『二月の勝者』の原作漫画のネタバレが含まれています。先に内容を知りたくない方は、「コミックシーモア」で第1話から最新話までをご覧になれます。
※記事の公開日(更新日)時点の情報です。

スポンサーリンク

『二月の勝者』の原作漫画ネタバレ

2月の雪が降りしきる早朝、中学受験塾・桜花ゼミナール吉祥寺校で研修中の新人講師・佐倉麻衣が受験生の応援で試験場に来ると、業界トップのエリート塾・フェニックスの腕章を付けた男が傘もささずに立っていました。
佐倉は男に挨拶しますが、無視されて居辛くなっているところに、受験生・木下が血相を変えて走り込んで来ました。電車の中でやっていた理科の問題が解けずにパニックになってしまったようで、佐倉に教えて欲しいと必死に頼んできます。しかし、数学担当の佐倉にはよくわからず焦ってスマホで調べようとしていると、あの男が淡々と解き方の説明を始めるのでした。
そして最後に、この学校ではこの問題は殆んど出ないと言い切ります。
安心した木下は、男にお礼を言って試験場に入っていきました。佐倉は強い敗北感を味わうとともに、自分の無力さを痛感するのでした。

研修を終え正式な講師として初出勤した佐倉が、先輩講師から木下が無事合格したことと合格実績の悪化で校長が左遷されたことを聞かされていると、ボサボサの髪にヘッドホンをしてウインドブレーカーを着たアルバイト風の男が入って来ました。
サッと髪を整えスーツ姿になったその人は、なんと木下の受験の時に会ったあの男でした。驚く佐倉に男は、フェニックスを辞め桜花ゼミナール・吉祥寺校のテコ入れをしに来た新校長の黒木蔵人だと自己紹介するのでした。

新校長の黒木蔵人が動き出す

佐倉は、第一回統一合格判定テストの監督補佐を命じられ、黒木と一緒に教室に向かいます。歩きながら黒木は「受験塾は子供の将来を売る場所。オープンテストは新規顧客獲得のチャンス。金脈を獲りに行く!」と言って佐倉を困惑させます。
そして、教室に着くなり初対面の新6年生たちに向かって「君たち全員を第一志望校に合格させるためにやってきた!」と言い放つのでした。

一週間後、模試の結果が出て保護者との面談が始まりました。まだ塾生ではない三浦佑星の父親は偏差値40という結果を見て、小1からやっているサッカーの方が将来の可能性があると主張します。黒木は佑星をリフティング対決で負かし、佑星がサッカーにおいては凡人だと指摘します。そして、凡人はスポーツで努力するよりも勉強で努力する方がリターンを得やすいということを数字で示します。
帰宅した父親は、入塾を希望している佑星の気持ちを尊重する気になっていました。佑星が入塾を希望するようになったのは統一テストの時でした。佑星は、ちゃんと答えられたのが数問しかなくて落ち込んでいましたが、黒木から「解こうとして粘ったのが答案に表れている。スポーツなどで頑張った経験がある子は受験でも強い。」と言われたことがとても嬉しかったのでした。

新6年生は模試の結果をもとに、クラス分け(成績のいい方から、Ω、A、Rの3クラス)と席順が決まり、佐倉は6年Rクラスの数学を担当することになりました。成績が最下位のクラスだから気負わずカリキュラム通りにやれという黒木のアドバイスを無視して、佐倉は張り切ってしまいます。
そして、授業中に外ばかり眺めている落ちこぼれの加藤匠を何とかしようと一生懸命になっていた矢先、匠が塾に来なくなってしまいます。

佐倉はRクラスの授業から外され落ち込んで教室の匠の席に座ってぼんやりしていましたが、机に時間のような暗号のような落書きを発見し、それが中央線の特急が通る時刻で匠が鉄道ファンだと気付きます。それを聞いて、黒木は何か閃いた様子でした。

黒木は、母親と一緒に塾をやめる手続きに来た匠に、時間ができたら何がしたいか訊ねました。YouTubeが観たいと答える匠の目の前に、黒木がスマホを差し出して新型車両の動画を見せると、匠は急に興奮してしゃべり出すのでした。
黒木が違う動画も出して、それが私立中学の鉄道研究部が作ったものだと説明すると、匠の興味はピークに達しました。黒木が、鉄道研究部がある私立中学のパンフレットを机に並べた途端、どの中学がいいかという話になっていき、塾をやめる話などは消えていました。

Ωクラスで2番の前田花恋が名門フェニックスに転塾し、上から3番目のクラスに入りました。しかし、授業についていくのがやっとで、花恋は睡眠時間を削って頑張りますが、ストレスで体調がどんどん悪くなるのでした。
そんな時、塾帰りの花恋にプライベートの格好の黒木が接触し、「花恋は女王様になれる場所でしか輝かない。席は空けて待っている。」と告げます。一週間後、桜花ゼミナールには花恋の元気な姿がありました。

その頃、黒木はフェニックス時代の同僚・灰谷純と会っていました。黒木が抜けた後フェニックスのNo.1講師になった灰谷ですが、フェニックスの生徒たちを放って、お金のために移籍した黒木を許せないのでした。

春期講習の申し込みが始まり、佐倉は塾にかかる年間の費用が130万円に達することを知り驚きます。

Rクラスの武田勇人の家では、両親が塾の費用のことで喧嘩していました。職場で学歴の壁を感じている母親は息子の中学受験に積極的ですが、スマホゲームに嵌まっている父親はお金のことばかり持ち出して反対するのでした。
塾の面談で講師の桂から煽られた勇人の母は春期講習について夫に相談しますが、課金ゲームをやりながら反対する夫にとうとうブチ切れます。
夫のスマホを弾き飛ばし「子供のためなら課金ゲーム上等!」と啖呵を切って、自分の通帳を差し出します。勇人の父親はただ怯えるばかりで、春期講習を素直に認めるのでした。

その後、勇人の母を煽るように仕向けたのが黒木だと知った佐倉は、それでも教育者なのかと黒木を非難します。それに対して、黒木は「塾講師は教育者ではなくサービス業だ!」と言い切るのでした。

4月の模試対策についてのミーティングが行われ、黒木は簡単に偏差値を40から50に上げる方法があると言い出すのでした。

黒木の指示で、まずはRクラスの生徒数人に過去問によるテストが行われましたが、結果はケアレスミスが多く散々なものでした。
黒木は、このテストで偏差値が30台だった生徒4人に対し、問題の後半は読まずに前半だけを解くという条件で再びテストを行います。すると、4人のうち3人の点数が10点アップしていました。
黒木は、できる問題からやるという方法は探すことで焦ってしまいケアレスミスを起こすが、問題を半分にしたことで焦りが取り除かれ点数アップに繋がったのだといいます。
そして、これは実戦では使えない方法ではあるが、自分の力で点数を上げることができたという実感を与え自信とやる気を持たせたことが重要だともいうのでした。

5月になり、佐倉は黒木から新たな課題を出されます。
生徒の性格、趣味、特技、習い事、スポーツ、そして志望校が本人の希望なのか親の意向なのか、さらに志望校の校風は生徒に合っているのかを次の保護者面談までにリサーチするというものでした。
佐倉は生徒たちから将来の夢を聞き出そうとしますが、黒木は「小学生の夢なんかを志望校選びの理由付けにしてはいけない。子どもは裏切る。」というのでした。
そんな中、故郷の山梨へ帰った佐倉は偶然フェニックスの講師・灰谷と出会います。灰谷は「黒木に気を許してはいけない。あの人は平気で子どもを裏切る。」と忠告し、黒木のことで困ったことがあったら相談に乗ると言って去っていきました。

6月下旬、偏差値によるクラス替えが行われました。
三浦佑星と加藤匠はRクラスからAクラスへ上がりましたが、大内礼央と福島圭はRクラスに落ちてしまいました。かつてのクラス替えでは保護者からのクレーム電話が殺到しましたが、黒木の1点刻みのやり方に保護者も納得するしかありませんでした。

7月になり夏期講習についてのミーティングの席で、黒木からAクラスの成績が上がってないことを指摘されたベテラン講師・橘は、既に5年生のテキストに戻って宿題を出すといった対策はしていると告げます。そのことで保護者からクレームがあれば根気強く説明して理解してもらうという橘に、黒木はAクラスの上位3名をΩクラスに入れるという餌を撒いて保護者を黙らせる方が手っ取り早いと反論するのでした。

夏期講習が始まると、佐倉たちは生徒の細かなトラブルの対応に追われていました。そんな中、Ωクラスの島津順とAクラスの上杉海斗が取っ組み合いの喧嘩になります。
偏差値60以下は学校じゃないという順の暴言に怒った海斗が飛び掛かったようなのですが、順に反省する素振りは見られません。
翌日も順は海斗を馬鹿にするような発言をしますが、黒木は順を叱ることはなく、海斗に対して順とは揉め事を起こすなと忠告するのでした。

実は、吉祥寺校トップの島津順には、難しい家庭の事情がありました。異常なほど教育熱心な父親が、順の家庭での学習を全て管理し、自分の言った通りにやらないと母親を叱りつけるのでした。順は母が叱られないように黙って父のいうことを聞くしかありませんでした。
また、上杉海斗も問題を抱えていました。海斗には双子の弟がいて、当初は二人一緒にフェニックスに入塾しましたが、弟がSクラスの優等生であるのに対して海斗は違っていたため桜花に転塾したのでした。

父親が用意した偏差値50の入試問題が解けなかった順は酷く動揺し、翌日塾をサボっていなくなります。上杉海斗の情報でなんとか順は見つかりますが、順の母親は今まで息子に無理をさせてきたことを反省し、その晩は自分の思いをはっきりと夫にぶつけるのでした。
翌日、塾で顔を合わせた順と海斗は以前のわだかまりが解けていました。

黒木は、緊張感のないRクラスに刺激を与えるために、塾の卒業生との懇談会を設けます。
卒業生から偏差値70の女子学院の校風を聞いた柴田まるみは心を揺さぶられます。まるみは不登校で学校には通っていないため、母親は無理せず合格できそうな偏差値40位の学校を希望していたのでした。
人見知りで消極的なまるみですが、勇気を出して黒木に女子学院の受験を相談すると、黒木は「目指しましょう」と言って背中を押すのでした。

そんな時、講師の橘から黒木が風俗街に出没するという噂を聞いた佐倉は、風俗街に足を踏み入れ黒木を捜そうとします。
そして、いつもと違って髪がボサボサでカジュアルな風貌の黒木を発見しますが、黒木は男と揉めていて蹴りを入れられ看板にぶつかって額が割れてしまいます。佐倉は得意の空手で助けに入り男を撃退し黒木の応急処置をしますが、血を見た黒木が失神してしまい仲間らしき男と一緒に黒木を運び、怪しげな事務所に到着します。
すると、中から問題集を持った子どもが飛び出してきて、黒木が意識を取り戻します。
佐倉に気付いた黒木は「詮索するな。出ていけ。入ったら許さない。」と叫び、佐倉は追い出されてしまうのでした。

Aクラスの生徒を対象としたΩクラスへの昇格テストの日程が決まり、結果は夏期合宿のクラス分けの時に発表されることになりました。
Aクラスの雰囲気は変わっていき生徒たちはどんどん受験生になっていくのでした。
一方、吉祥寺校で最下位の石田王羅は、勉強するわけでもないのに毎日塾に来て問題ばかり起こしていました。実は、王羅の家は母子家庭で今流行りのゲームやカードが持てずに友達の輪に入れないでいたため、塾が放課後の居場所だったのです。
黒木は、王羅の母と面談し系列の個別指導塾・ノビールに転塾するよう勧め、母親もそれを受け入れます。
王羅がテストで鉛筆を転がして答えを書いていたことを知っていた黒木は、担当講師が気付けば改善できたと悔やみつつ、本人のために不正のできない個別指導塾へ行かせたのでした。

夏期合宿が始まり、選抜試験の結果選ばれた上杉海斗と柴田まるみがΩクラスに昇格しました。海斗は島津順との喧嘩がきっかけで友情が芽生え順から勉強を教わるようになり、不登校のまるみは偏差値70の女子学院に入るという目標ができてから偏差値を50まで上げていたのでした。
しかし、二人とも授業のスピードについていくのがやっとでした。また、この合宿は他校舎と合同だったため、吉祥寺校トップの島津順でも敵わない生徒がいていい刺激になったようでした。

夏期合宿が終わって9月になり、夏の努力が試される合格判定模試が行われました。生徒たちは手応えを感じたようで皆一様に明るい顔をしていましたが、結果は全く違っており、ほとんどの生徒の偏差値は下がっていました。
この時期は受験生全体の学力が上がるので偏差値が下がるのは珍しくないのですが、例年のような保護者からのパニックの電話はありませんでした。実は黒木が事前の保護者説明会で、夏の成果は9月ではなく10月に出ると話していたのでした。しかし、保護者会に出ていない島津順の母は、偏差値が下がったことに酷く動揺していました。

黒木が桜花に来た目的が明らかに!

島津順の父親は、偏差値が下がったことを酷く怒り塾のやり方を否定して、順に自分が選んだ市販のテキストを大量に持たせるのでした。
塾の講師はそれを全て没収しますが、黒木はそれらをチェックした後で、この2冊以外はやらなくていいと元フェニックスのカリスマ講師に言われたと父親に伝えるよう順に言います。それを聞いた順の父親は、カリスマ講師が言うのであればと許すのでした。
翌日、黒木に会おうとして塾を訪れた順の父親は、偶然上杉海斗の母親に会い順が海斗に勉強を教えていることを知ります。帰宅した父親は、バカの相手をしてるんじゃないと順を叱りつけますが、順は友達をバカと言ったことを謝れと父に怒鳴り返すのでした。しかし結局、順は海斗に勉強を教えるのをやめてしまいます。

黒木は塾の外でまたしても怪しい動きをしています。雑居ビルで例の仲間(ショーマ)と謎めいたやりとりをしているのですが、このショーマという男はフェニックスのころからの黒木の仲間のようです。
ショーマがパイセンという別の仲間の様子を訊ねると、黒木はこの後本社で会うかもしれないと答えるのでした。

桜花ゼミナール本社では、全校舎の校長たちが集まり志望校別特訓と日曜特訓について議論しています。
黒木のパフォーマンスにより校長たちは受講率95%のノルマを受け入れますが、これは黒木と社長・白柳による事前の打ち合わせ通りだったのです。
社長から「課外活動はどうだい?」と聞かれた黒木は「信頼できる者に任せています。」と答えます。そして、会議で書記を務めていた碧山に「こちらに慣れたらショーマを助けてやって欲しい。」と頼むのでした。

10月の保護者面談が始まりました。黒木は、この時期になると志望校について親と子の間に違いが出てくるので、生徒が希望する方へ保護者を誘導するように講師たちに指示するのでした。
入った学校で嫌なことがあっても、自分で選んだ学校なら踏ん張れるというのが黒木の考えでした。

島津順の保護者面談の日がやって来ました。しかし、予定時刻を過ぎても島津一家は現れず心配しているところに順の母親から電話が入り、立て込んでいるので面談は別の日にしてほしいということでした。
黒木は、島津家の事は自分に任せて欲しいとだけ言って出ていきました。

黒木はある家の前に着くと、ビシッとキメてる髪をグシャグシャにしてから「おばあちゃん、こんにちは。晶、調子どう?」と言いながら家に入ります。
ドアの前に立った黒木が「早く来過ぎたからプリントはできてなくてもオッケーだよ。それより俺の話聞いてくれるかな?」と話しかけると、ドアの隙間からプリントが1枚出てきました。それを見た黒木はとても驚いた様子で、これは自分で決めたのかと尋ねます。「そうだよ」とだけ答えるアキラに、黒木は「嬉しいよ。ありがとう。立ち向かう勇気をもらった。」と言って大粒の涙をこぼすのでした。

一方、息子の成績が落ちたのが塾のせいだと思っている島津順の父親は、塾の授業が終わったら自習室には行かせず帰ったらすぐに過去問をやらせるように母親に命じるのでした。
開成クラスの授業を終え走って帰宅した順が晩御飯のおにぎりを食べていると、父親が開成中学の過去問を差し出します。
順は、塾からはまだ過去問をやるなと言われていると反論しますが、母親が蒼ざめてビクビクしているのを見て素直に過去問を始めるのでした。
父親は順が塾で習った解き方を否定し、国立大学に独学で合格した時の自分のやり方を無理矢理押し付けます。イラついて暴言を吐き続ける父親は、もうやめて欲しいと頼む母親を突き飛ばしてしまいます。

自習室に来なかった島津順を心配した黒木は島津家に電話しますが全く繋がりません。やっと繋がると受話器からは大きな物音と助けを求める声が聞こえてきて、黒木は血相を変えて飛び出し佐倉も後を追いかけます。
二人が島津家に到着すると、警察官が「ただの親子ゲンカか」と言って帰って行きました。
中に入ると、ぐちゃぐちゃになった部屋に父親一人がいて、順と母親の姿はありません。息子が暴力をふるったから警察を呼んだという父親に、黒木はその行為は子供の未来に傷をつけることになると忠告します。
そして、18歳の父親がやったことを12歳の子供ができるわけがないと強い口調でぶつけた後、毎日10キロを超える荷物を背負って塾に通っている順を労ってあげて欲しいと頼むのでした。その時、佐倉の携帯に順と母親が塾に向かっているという連絡が入ります。

黒木と佐倉が塾に到着すると、母親は涙を流しながら講師の桂に受験をやめることを話していました。順も暗い表情でしたが、家で解けなかった問題のヒントを黒木から聞くと嬉しそうに過去問をやっています。
黒木は母親に向かって受験をやめなくてもいい方法があるというのですが、母親はもう離婚も考えているから無理だと断ります。
そして、事件の経緯を話し出しました。順が父親に突き飛ばされた母を庇って父親を突き飛ばして机をひっくり返すと、驚いた父親は順を反省させるために警察に連絡したのです。そんな夫を見て嫌気がさした母親が順の手を取って家を出たのでした。
順にもう無理はさせたくないから受験はやめるという母親に、黒木は開成の奨学金制度について説明するのでした。
母親は、受験をやめるのは経済的な理由だけでなく、もう順に無理矢理に開成を目指させるのが嫌だといいます。ところが順は、できるなら開成を受験して自分の力を試したいと言って、過去問を解いたノートを握りしめるのでした。そんな順の姿を見た母親は、先生を信頼してこの子を預けますと言って頭を下げるのでした。
島津親子が帰った後、離婚に至る前に助けてあげられなかったことを悔やむ佐倉を、長くても3年しか関われない塾講師が生徒のプライバシーに関わって生徒の人生の責任をどう取るのかと桂が一喝します。そこに黒木が来て、フェニックス時代に生徒を潰してしまった過去を話し始めるのでした。

2年前、フェニックスの最上クラス・サミット1を受け持っていた黒木は、教育熱心な親から虐待されている生徒・晶を助けようとしてプライベートで彼の勉強を見るようになりました。
その後、晶は無事に志望校に合格し、黒木は彼を虐待から守ることができたとホッとしていました。しかし、晶は学校の授業についていけず不登校になり、その後は引きこもり、そして退学となります。そんな晶が疎ましくなった両親は、晶を祖母のところに預けることに決めます。そのことを偶然知ってしまった晶は黒木に遠回しのSOSを出すのですが、黒木はそれに気付かず見逃してしまいます。
そして、母から祖母の家に行くように言われた晶は、母の愛情を確かめようと最後の賭けに出るのですが、願いは叶わず、母は最悪の言葉を浴びせてきました。その瞬間、晶の中の何かがプツンと切れて、バットを手にして暴れるのでした。
晶の母から連絡を受けて黒木が駆け付けた時には、部屋は酷い状態で血まみれの晶がガラスの破片を握りしめていました。晶を落ち着かせようする黒木を激しく拒んだとき、晶が持っていたガラスが黒木の額を切ってしまいます。その途端、晶は大声を上げて泣き出し黒木に抱き着き、黒木は晶の肩を優しく抱きしめるのでした。

黒木が晶の家に着いた時には、母親は既にホテルに避難した後で、父親は仕事、弟は塾でした。結局、晶は祖母の家に預けられ、親が様子を見に来るたびに暴れ、中3になった今も家に閉じこもったままです。
黒木は今も晶の勉強を見ていますが、最近少しだけ晶に変化が表れてきたといいます。そして、晶の母も今では自分のしてきたことを後悔しているというのです。
晶の事件の後、黒木は家庭教師をしながら様々な家庭を観察し、自分に足りないのは想像力と共感力だと気付きます。子どもの数だけ抱える悩みも家庭環境も違っており、それら全てを体験できない以上は想像力が必要であり、子供に寄り添うためには共感力が必要なのです。そして、黒木はこの仕事の本質と学びの意味を知るために桜花に来たのでした。

11月の保護者会で、黒木は受験生の親のメンタルには3回のクライシス(危機)が来ると注意します。
桜花が推奨する合格判定模試は11月と12月の2回で終わりです。その先の模試は他塾生の参入が増えてデータが乱れるのに加え、疲れや感染症のリスクもあるので勧めていません。
12月の模試は最後ということで肝も据わり結果を受け入れるのに対し、11月の模試は結果を悔やんだり焦ったりする1回目のクライシスが起こります。
次のクライシスは1月受験と2月受験です。この苦しい魔の3ヶ月に必要なのは親たちのパフォーマンスなのです。子どもの前ではいつもニコニコして、もし感情的になりそうになったら思い切って他人を演じるくらいでなければならないのです。

Ωクラスの上杉海斗とフェニックスに通う双子の弟・陸斗は母親から家庭教師を勧められますが、二人とも断るのでした。
海斗は黒木に、陸斗は灰谷にそれぞれ満足している様子です。
陸斗は、灰谷が海斗の様子を気にしていて、二人で一緒に麻布中学を目指すのかと聞かれたと話します。しかし、海斗は余計なことをしゃべるなと言って怒るのでした。

親たちに1回目のクライシスが訪れる(最新話83話まで)

フェニックスのトップクラスで灰谷が授業を行っています。
灰谷は巧みにヒントを与えながら、最難関である灘中学の過去問を生徒たちが自力で解けるように誘導していきます。そうすることで、生徒たちのモチベーションが上がっていくのでした。
生徒にとっては兄貴分のような存在の灰谷ですが、アメとムチを上手く使うやり方はフェニックスにいた頃の黒木のスタイルでもありました。

来週は最難関中学を志望する生徒を対象としたフェニックスオープン模試が行われる予定で、桜花ゼミナールの生徒も参加します。
黒木との勝負を目前にして、灰谷のライバル心はピークに達しているようでした。
一方、黒木はΩクラスから6人がフェニックス模試に参加することを確認していました。

Ωクラスの前田花恋は来週のフェニックス模試に向けて頑張っています。
前回の模試で40%だった合格率を80%に上げようとして必死なのです。
しかし、花恋の母は80%を取るのは無理だと思っているようで、行けるところならもうどこでもいいという気持ちになっていました。

一方、事件以来祖母の家にいる島津順は自習のため桜花に向かっていました。
祖母宅では伯母も優しく応援してくれており、順の精神状態もかなり安定してきました。
途中で一緒になった上杉海斗は、順に自作の歴史問題を出すのですが、簡単すぎると言われてしまいます。海斗は、順が以前のように戻ってホッとするのでした。

二人が自習室に着くと生徒がほとんどいなくて驚きます。
Rクラスの生徒たちは模試に行っていました。そして、模試の会場では、母親たちが何やらソワソワして落ち着かない様子です。
家庭教師の件で、お互い相談することもできずに焦っているようです。親たちに1回目のクライシスが訪れていたのでした。